戦国武将は何を締めていたのか|下帯からふんどしへ、意外な400年

公開開始日:2026/09/04 15:00
戦国武将は何を締めていたのか|下帯からふんどしへ、意外な400年

2026.09.04

戦国武将は何を締めていたのか|下帯からふんどしへ、意外な400年

SHIROHATOの大創業祭が9月4日(金)15時から始まります。創業から続いてきた下着屋としての時間を思うと、そもそも日本人はいつから何を身につけてきたのだろうと気になってきました。せっかくの機会なので、下着の歴史に思いを馳せてみました。

戦国時代が好きな男性は、本当に多いですよね。好きな武将を聞けば話が止まらない、城跡を巡るのが趣味、大河ドラマは毎年見ている。そういう方は珍しくありません。ところが不思議なことに、武将の下着の話はほとんど出てきません。兜の形も刀の銘も語られるのに、鎧の下に何を着ていたかは語られない。今回は下着通販のSHIROHATOが、戦国武将の下着事情から現代のふんどしまでをたどってみます。

調べてみると、意外な事実が出てきました。「ふんどし」と言われて多くの方が思い浮かべるあの形は、実は戦国武将が締めていたものではありません。

鎧の下には何を着ていたのか

戦国末期の当世具足(二枚胴具足、16世紀末〜17世紀初)

Armor(Nimai-Dō Gusoku)with Box、16世紀末〜17世紀初/メトロポリタン美術館蔵(パブリックドメイン)。戦国末期の当世具足です。素材に鉄・革・漆・木・そして麻が使われています。

まず甲冑の下です。鎧は金属や革の板を紐で綴じたもので、素肌に着ると擦れて話になりません。そこで「具足下着(ぐそくしたぎ)」と呼ばれる衣を着てから鎧を着けました。鎧下着とも呼ばれ、小袖をもとにした形で、安土桃山時代に流行したとされています。

下半身は袴です。ただし通常の長い袴では動けないので、膝下までの丈の小袴(こばかま)や、脚絆と一体になった裁付袴(たっつけばかま)が使われました。戦場で走り、馬に乗るための形です。

つまり鎧の下は、上に具足下着、下に短い袴。その内側に、肌に直接触れるものとして下帯がありました。現代の言葉に置き換えれば、インナーシャツとハーフパンツの下に下着を着ていたのと同じ構成です。

意外に思われるかもしれませんが、甲冑を着るうえでいちばん深刻な問題は寒さではなく汗でした。鉄の板に囲まれて動けば、季節を問わず汗をかきます。汗が引かないまま夜を迎えれば体は冷えますし、肌が擦れて傷にもなります。下に着るものは、装飾ではなく実用の道具だったということです。

腹巻と呼ばれる胴の防具(15世紀)

Cuirass of a Haramaki、15世紀/メトロポリタン美術館蔵(パブリックドメイン)。「腹巻」と呼ばれた胴の防具です。名前がそのまま現代の腹巻に残っています。

腹まわりを保護することも重視されました。上の写真は「腹巻(はらまき)」と呼ばれた胴の防具です。布を巻いて腹を守るという発想は当時から一般的で、腹を冷やさない、締めて力を入れやすくする。この考え方は、現代の腹巻にそのまま名前ごと残っています。

グンゼ GUNZE 愛情はらまき 綿リッチ リブ腹巻 メンズ レディース 男女兼用

グンゼ GUNZE 愛情はらまき 綿リッチ リブ腹巻 メンズ レディース 男女兼用(¥1,100):綿を多く使ったリブ編みの腹巻。男女兼用です。腹を布で覆って冷やさないという考え方は、甲冑の下で布を巻いていた時代と地続きです。腰が痛くなりやすい方や、冷えが気になる方に。

武将が締めていたのは「越中褌」ではない

01.戦国期に使われていた形

甲冑姿の武者を描いた版画(葛飾北斎「A Warrior」)

葛飾北斎「A Warrior」/メトロポリタン美術館蔵(パブリックドメイン)。武者の姿は繰り返し描かれてきましたが、鎧の下は描かれません。

ここが今回いちばん意外だった点です。「ふんどし」と言われて多くの方が思い浮かべるのは、腰にひもがあり、前に布が垂れるあの形でしょう。これは越中褌(えっちゅうふんどし)と呼ばれます。

ところが越中褌は、戦国期の主流ではありませんでした。戦国から江戸時代にかけて一部の武将や大名に愛用されたのは「割褌(わりふんどし)」と伝えられています。また、一枚の長い布を股から腰に巻きつけて後ろで結ぶ「六尺褌(ろくしゃくふんどし)」が常用されるようになったのは江戸初期からとされています。

つまり戦国武将の腰にあったのは、越中褌ではなく別の形の下帯だったということです。大河ドラマの合戦のあとに武将がふんどし姿で汗を拭う場面があっても、その形は時代考証としては微妙、ということになります。

02.素材は木綿ではなく麻だった

もうひとつ意外なのが素材です。室町時代以前は麻が一般的で、木綿の晒し布が多く使われるようになるのは江戸時代以降とされています。

戦国は室町の終わりから安土桃山にかかる時期です。ということは、武将が肌に着けていたのは現代の私たちが想像する柔らかい木綿ではなく、麻のごわついた布だった可能性が高いということになります。

冒頭の当世具足の素材表記にも麻が入っていました。甲冑そのものにも麻が使われていた時代です。麻は乾きが早く、汗をかく場面では合理的な素材です。ただし肌当たりは硬い。汗と擦れに一日耐えていたのだと考えると、当時の武将の我慢のほどが少し想像できます。

身分によって素材も違ったようです。上位の者は絹を使うこともあり、下着にまで身分差が出ていました。肌に触れる一枚に金をかけられるかどうかは、今も昔も余裕のあらわれだったのでしょう。

03.家康の下帯にまつわる話

徳川家康については、こんな話が伝わっています。倹約家だった家康は浅黄色に染めたふんどしを常に使い、家臣にもそれを勧めていた。ただし、いかに骨太の三河武士でも下帯だけは真白のものを使ったという話です。

これは史実として確定しているものではなく、逸話として伝えられている類の話です。ただ、白い下帯を身につけることに何かしらの意味を置いていたことは伝わってきます。

肌に直接着けるものだけは白く清くしておく。合理と倹約を通した人物にも、そこは譲らない線があったのかもしれません。

いまのふんどしは、明治の軍隊が広めた

合戦の場面を描いた三枚続きの版画(月岡芳年、1866年)

月岡芳年「Masakiyo's Challenging Battle」1866年/メトロポリタン美術館蔵(パブリックドメイン)。戦国の合戦は江戸から明治にかけて繰り返し描かれ、武将の姿は語り継がれました。

では、越中褌はいつから主流になったのか。これがまた意外で、本格的に普及したのは明治末期からとされています。

決定的だったのは徴兵令です。1873年(明治6年)に徴兵令が制定され、徴兵された成人男子に軍隊が官給品として越中褌を支給し、使用を義務づけました。

兵役を終えた若者たちが、前垂れが体を隠してくれる、軽くて清々しい、着脱が簡単で布の使用量も少ないという使用感を持ち帰り、それまでの六尺褌に代わって全国に広まっていきました。

名前の由来にも説があります。細川越中守忠興が始めたという説と、松平定信であるという説の両方が伝えられています。どちらにしても江戸期の人物の名前で、戦国の武将とは重なりません。

整理するとこうなります。戦国の下帯は麻の割褌。江戸に木綿の六尺褌が常用され、明治の軍隊が越中褌を全国へ広めた。私たちが「日本の伝統的な下着」と思っているものは、実は150年ほど前に軍が配ったものだったということです。

それでも、これを「伝統ではない」と切り捨てる必要はないと思います。150年使われ続けてきたのは、使ってみて良かったからです。軍が配ったから広まったのではなく、兵役を終えた若者が自分の金で買い続けたから残ったのです。

現代のふんどしを、一枚試してみませんか

01.ゴムで腰を一周締めないという構造

ここまで歴史をたどってきましたが、ふんどしの良さは骨董品としての価値ではありません。いまも通用する構造の良さがあります。

いちばん大きいのは、腰をゴムで一周締めないことです。普通の下着はウエストのゴムが腰を一周します。長時間座っていると跡が残り、血のめぐりも妨げます。ふんどしはひもで留めるだけなので、腰全体を締めつけません。

締めつけが苦手な方、腰まわりに跡が残りやすい方、在宅で座っている時間が長い方。こうした方には、構造そのものが利点になります。

ラポーム オム ウエスト平ゴム ふんどし Tバック ビキニ メンズ 日本製 La-Pomme Homme

ラポーム オム ウエスト平ゴム ふんどし Tバック ビキニ メンズ 日本製 La-Pomme Homme(¥2,640):ウエストが平ゴムのふんどしタイプ。日本製です。腰まわりを細いゴムで締めないので、長時間座っていても跡が残りにくいつくりです。ふんどしを初めて試す方が扱いやすい形でもあります。

02.通気がよく、蒸れにくい

もうひとつの利点が通気です。脚のまわりを生地で覆わないので、熱と湿気が抜けていきます。

夏場に蒸れやすい方、汗をかきやすい方にはこの差がはっきり出ます。就寝時に使うと、朝までの不快感が減るという方もいます。甲冑の下で汗に悩んだ武将たちが求めたのも、つまりはこの通気だったのだと思います。

ラポーム オム ベア天 ふんどし Tバック ビキニ メンズ 日本製 La-Pomme Homme

ラポーム オム ベア天 ふんどし Tバック ビキニ メンズ 日本製 La-Pomme Homme(¥2,750):綿を主体にしたベア天のふんどしタイプ。日本製です。肌に触れる素材を綿寄りにしたいという方はこちら。通気のよさと肌当たりの両方を取りたいときに向いています。

ラポーム ユニセックス E6000 ふんどし ショーツ メンズ レディース E6000 La-Pomme 日本製

ラポーム ユニセックス E6000 ふんどし ショーツ メンズ レディース E6000 La-Pomme 日本製(¥1,980):ユニセックスのふんどしタイプ。日本製です。ふんどしのなかでは手に取りやすい価格帯なので、一枚だけ試してみたいという方の入口に。

03.SHIROHATOで扱っている現代のふんどし

当店では、現代の暮らしで使えるふんどしをラインナップとしてそろえています。晒の一枚布を巻く昔ながらのものではなく、ひもと布の構造だけを受け継いで、普段の服の下で使えるように仕立てたものです。

素材はナイロンやポリエステル、綿混。伸縮性があり、洗濯機で洗えて、乾きも早い。麻のごわつく布に一日耐えていた武将には申し訳ないほど快適になっています。

形も選べます。腰のひもで留める越中型に近いもの、後ろがひも状になって通気を最優先したもの、ショーツに近い作りのもの。初めてなら、前が閉じているタイプから入るのが無難です。

ティーエム コレクション Sparkhalf 越中ふんどし メンズ 前とじ TM collection 日本製

ティーエム コレクション Sparkhalf 越中ふんどし メンズ 前とじ TM collection 日本製(¥2,200):越中ふんどしの形をした前とじタイプ。日本製です。腰のひもで留める越中型の構造なので、ふんどしらしい形をいちばん素直に試せる一枚です。素材は現代的なナイロンで、伸びて動きに付いてきます。

ラポーム ユニセックス ふんどしタイプ Tバック ショーツ メンズ レディース E6000 La-Pomme 日本製

ラポーム ユニセックス ふんどしタイプ Tバック ショーツ メンズ レディース E6000 La-Pomme 日本製(¥2,530):ユニセックスのふんどしタイプ。日本製です。こちらは後ろがひも状になった形。生地の面積が小さいぶん、通気を最優先したい方向けです。

価格はおおむね2,000円前後から。毎日使う下着としては安くありませんが、一枚だけ試して自分に合うかを確かめるには手が届く範囲です。

04.試すときのちょっとしたコツ

外出時に初めて使うのは避けてください。慣れないうちはずれる感覚があります。最初は家で過ごす日か、寝るときに試すのが安全です。

ひもの締め方は、指が1本入る程度で十分です。きつく締めても安定はしません。布の位置を先に決めて、そのあとひもを軽く結ぶ。この順番のほうがずれにくくなります。

数日使ってみると、良さと合わなさの両方が分かります。合わなければ普段の下着に戻ればいいだけです。一枚から始められるのが、この手のチャレンジの良いところです。

まとめ|腰にひもを結んで、戦国に思いを馳せる

戦国期の兜(頭巾形兜、16世紀)

Helmet(Zukinnari Kabuto)、16世紀/メトロポリタン美術館蔵(パブリックドメイン)。戦国期の兜です。この下に具足下着があり、その内側に下帯がありました。

調べてみて分かったのは、私たちが思う「日本の伝統的な下着」と戦国武将の下帯は別物だということでした。戦国は麻の割褌、江戸は木綿の六尺褌、明治の軍隊が越中褌を広めた。同じ「ふんどし」の名で呼ばれていても、中身は時代ごとに変わっています。

それでも、共通していることがあります。腰にひもを結んで、股に布を通す。ゴムで一周締めるという発想がなかった時代の、この単純な構造です。締めつけないこと、通気がよいこと。現代のふんどしが選ばれる理由は、400年前と同じところにあります。

鎧を着て馬に乗ることはできませんし、城跡に立っても当時の空気は分かりません。ただ、腰にひもを結ぶという行為だけは、今でも同じようにできます。

休みの日に一枚締めてみる。それだけのことですが、身につけるものが変わると気分は変わります。好きな武将の名前を思い浮かべながら腰のひもを結ぶ時間があってもいいのではないでしょうか。当店のラインナップから一枚、週末のチャレンジとして選んでみてください。

なお、この記事で触れた歴史については諸説あります。越中褌の名の由来は細川越中守忠興説と松平定信説があり、家康の下帯の話も逸話として伝えられているものです。断定できる部分と伝承の部分を分けて読んでいただければと思います。

掲載した甲冑・兜・版画の画像は、メトロポリタン美術館のオープンアクセスで公開されているパブリックドメイン作品です。

この記事で掲載された商品

ティーエム コレクション Sparkhalf 越中ふんどし メンズ 前とじ TM collection 日本製

ラポーム ユニセックス E6000 ふんどし ショーツ メンズ レディース E6000 La-Pomme 日本製

ラポーム ユニセックス ふんどしタイプ Tバック ショーツ メンズ レディース E6000 La-Pomme 日本製

ラポーム オム ウエスト平ゴム ふんどし Tバック ビキニ メンズ 日本製 La-Pomme Homme

ラポーム オム ベア天 ふんどし Tバック ビキニ メンズ 日本製 La-Pomme Homme

グンゼ GUNZE 愛情はらまき 綿リッチ リブ腹巻 メンズ レディース 男女兼用

URLをコピーしました。

SHIROHATO MEMBER’S SHIP REWARDS

メンバー限定のさまざまなサービスや特典をご用意しています。

  • RETURN OK

    ブラ返品&交換OK 返送料¥0

  • PRESENT

    会員登録で500ポイントプレゼント

  • POINT SERVICE

    1ポイント=1円で使えるポイントプログラム

  • MEMBERSHIP

    会員限定のセールやクーポンなど

  • NEWS LETTER

    会員限定のお得なキャンペーンのご案内

SHIROHATOは下着・インナーウェア・レッグウェアを中心に取り扱う国内最大級のECサイトです。
国内・海外の144ブランド、約10,000品番のアイテムを常時取り扱っています。
あなたにピッタリのアイテムをオンラインで気軽にご購入ください。